2004年01月15日

■実録■板壁の家ができるまで

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木造2階建て、梁間3.5間、桁行4.5間。南面は切妻、北面は変形の入母屋造り。
間取りの中心には棟木まで延びる大黒柱を据え、床、壁、屋根の全てを厚い板で室内空間をおおっている。
ちょうど、お櫃(オヒツ)のようにやわらかく空間を包み込むことをイメージしています。
特に、内外壁ともに厚い板で柱の間に落とし込み板壁として、意匠だけではなく、構造的にも効果ある仕様としているところに構法的な大きな特徴があります。いわゆる板倉の本格的な仕様で壁面を構成しました。
木住研が考える「木の家」の造り方の一つの答えです。既に、完成後数年を経過していますが、工事の経過の主要な部分を再構成し、どのように「板壁の家」が出来上がっていくのかを見ていただくことができます。


設計:一級建築士事務所 木住研
施工: 風基建設(株)


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■主な工程へジャンプ
 ・基礎工事 
 ・ネコ土台工事
 ・木材加工
 ・建て方
 ・瓦葺き 
 ・完成

 ◆全工程いっき読み
 ※松戸の木の家情報シート



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平らな基礎

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ここでは、丈夫で平らな基礎の上に、木の家を載せようという考えから、立ち上がりのないベタ基礎の方式をとっています。ダブル配筋のスラブの外周と内部に十字の地中梁でリブを設けてゆがむことのない丈夫な基礎となっています。
コンクリート打ちはポンプ車で行ないました。立ち上がりがないため、コンクリート打ちは1回で完了します。
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平らな基礎=基壇

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型枠もはずされ、基礎はできあがりました。立ち上がりのない様子がわかります。基礎の表面からとび出ているものはアンカーボルトです。
単純形状の基壇の上に木造の架構を載せることになりますが、現状では、基礎にアンカーボルトで木造架構を固定する必要があります。
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設備の配管

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水道や排水などの外部配管工事は、工事の終了段階に行なわれることもありますが、足場を解体した後でないと行なえません。
一般に、工事終了間際には各種工事が追い込みに入り、効率もよくないこともあり、ここでは基礎完了後に、外部の配管工事を済ませておくことにしました。
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墨出し

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今回は、平らな基礎の上えでの墨出しでしたから、いつもよりは作業はしやすかったようです。
墨壷、墨刺し、指し矩はどのような場合でも、基準を印すとき必携の道具です。墨糸をピーンと張って、ピィと離すと、真っ直ぐな線が引ける。大昔からほとんど変わることのない道具です。
長さを測る場合に、メジャーも使いますが、尺杖で基準を写していくのは、やっぱり木造の現場っていう感じがしますね。
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現場でネコを作る

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ネコは土台の下に敷く基礎のパッキン材ですが、ここでは平らな基礎の上にモルタルで作られました。ネコ天端の基準を定めた水糸をそれぞれの基準として一つづつ作っています。

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細い角材を定規としてセットし、モルタルを詰めながら平らな面を作ります。定規をはずし、はみ出したモルタルを、ちょうど羊かんを切るようにコテで切り揃えて完成。

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家の中心には太い大黒柱が立ちますが、超特大のネコとなしました。その作業工程がわかります。
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下小屋にて材木を見る

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建て主さんと下小屋での打ち合わせ。
大黒柱や梁の杉材、土台の栗材などこれから加工されていく材料を見ながら、どこにどういったものが使われるのかなどを説明させてもらいました。
スケール1/30の架構模型を作っていましたので、まだ組みあがる前の状態ですが、おぼろげながらイメージしていただけたようです。それよりも木の太さに驚かれていました。
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大黒柱の皮むき

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この家の中心には元口で40cm角程度の大黒柱が立ちますが、完全な正方形ではなく角には丸みがありました。丸みの部分はけっこうキズなどがあるものです。
キズをきれいに補修するためには、キズの一番深い年輪にあわせて削り取り、サンダーがけ、竹べらなどで丁寧に面皮に仕上げてもらいました。長さが8mもあり、材も大きかったので棟梁にはだいぶ苦労されたようです。感謝!感謝!でした。
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墨付け・刻み

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            大黒柱の墨付け

大黒柱が太いのは良しにしても、ほかの材料も太いね。というのが実際に材料を刻む棟梁の感想、というよりブーイングに近いものだったかも知れません。

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手刻みといっても、今では電動工具や木工機械をいかに活用するのかが作業効率の上では重要なポイントになります。そのため材の断面が大きいと、そういった道具や機械の治具がセットできないなどで使えない場合があり、ちょっと手間どることにもなったようですね。でもその辺は、機械をいかに道具化するか、毎回工夫の連続であるというところの棟梁たちの日ごろの技量で吸収してもらえました。今回も、感謝、感謝の連続。

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       隅木落ち掛かりの刻み

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       小根ホゾ 割り楔の楔道の切り込みがわかる
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厚板の加工

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この住宅での板壁の最大の特徴は、厚い板壁そのものにも耐力壁としての役割を持たせたいということでした。厚い板を柱の間に落とし込んだだけではその効果は小さいものにしかなりません。構造としての壁として効果を高めるためには、板どうしがずれないように何らかの工夫が必要です。単純には接着して大きなパネルにしてしまうということが考えられますが、接着材は避けたいという判断をここではしました。
そこで、板と板の間に角材をダボとして差し込むことにより、ずれなくする方法をとりました。
風基建設さんでは、すでに板壁による大規模な建築もこなしてきたことやそれ以前からも板壁の工夫をしてきた多数の実績があり、独自に考案されたいい機械もありましたのでダボ方式が可能になったということです。
1000枚を超える板への穴開けは、機械があるといってもたいへんな作業になりました。
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2004年01月16日

土台の据付

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土台は建物の位置を決めるために、その据付には一日かけて行ないます。土台はアンカーボルトによって基礎に固定しますが、アンカーボルトを通す穴は現場施工になります。

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アンカーボルトは通り芯からは微妙にずれているもので、その位置を正確に写し取り、土台の裏側にその穴位置を印し、裏側からドリルで穴あけを行ないます。
穴があけられたら、継ぎ手の位置に注意してセッティングし、掛け矢でたたきながら2材を緊結していきます。ガンガンガンと締めたたき込むといった感じでしょうか。
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木材の搬入

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土台敷きが終わり、いよいよ建て方です。刻み終わった材料が搬入されてきました。骨組みとなる軸組材だけでなく、同時に落とし込む板壁材も一緒でしたから敷地の上は材木であふれかえる状態になりました。

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足の踏み場もなくなってきました

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刻まれた仕口や継ぎ手
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通し柱の建て込み

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「いの一番」の通し柱の建て込みです。土台と足固めの2材にからみながら建て込んでいくため、柱の建て込み順を考えながら組まないと、組みこめなくなることもあるため段取りが重要でした。
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大黒柱の建て込み

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この家の最大のシンボルである大黒柱の建て込みです。

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レッカーで吊り上げていくといっても、元で40cm角以上、長さも8mちかくあり、500kgほどの柱でしたから、その建て込みは圧巻です。

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土台にしっかりと据え付けられたのを見て、暑い中で皮むきをしてくれた親方(右側にいます)もなんとなくホッとした表情に見えました。
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足固め

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ここでは足固めで柱の足元を固めていこうと考えています。平屋では本来、土台なしで、柱立てにして足固めで固めるのですが、2階建てということもあり、ここでは土台を併用しています。
土台に柱を差し、足固めを順次差し込みながら固めていく。横物の差し口の多い柱は動きが拘束されるため建て込みにくいので、柱を土台から多少浮かして自由度のある状態にして、徐々に土台に落とし込んでいきました。
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都市に森を再生する

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1.5mほど敷地から下がった道路側からの光景ですが、さすがに1本だけ太くて高いという感じですね。道を通る人も何が建つのかと立ち止まって見ていました。

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このとき現場で思ったことは、住宅地に木を再び植えているんだ、ということです。
山で伐られた木は、再び都市で次なる生を得て、100年近い歳月をこの地で存在し続ける。森がそのままこの地に移されたと考えられないか。少なくとも木が伐られた山が再び伐採できるまでの時間を、この柱がここに存在することができることできれば、都市と山との間の木の循環を可能にするだろうと。
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落とし込み板の取り付け

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壁の厚板は柱に切られた溝に落とし込むために、柱の頭に梁等が乗ってふさがれる前に取り付けなければなりません。

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板の巾は、ほとんど寸法の逃げを取らずに溝の内法で切った板ですから、一枚一枚をたたき込みながら、という作業になりました。

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また、板と板とがずれないようにダボを打ち込みながらこの作業を繰り返します。

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今回は、通し柱があるため、端部の胴差は差仕口の納まりになります。板を組み込めば組み込むほど、壁は固まってきますから、軸組みをゆがませながら差し口を納めるということがやりにくく、梁の組み込みはたいへんでした。
全てを管柱にすることによって、作業性を向上させられそうです。次回のチャレンジとしましょう。
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通し柱と梁

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通し柱に床梁を差しています。柱と床梁を締め付けるのには、掛け矢(大きな木槌)で柱の側面からガンガン叩いて材をくっつけますが、この柱ではウインチを使って、材どおしを引き付けあっています。柱の角が傷まないように、当て木をしているのが分ります。
差し込まれたホゾは、楔を打ち込んで緊結します。
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胴差を仕込む

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通し柱に胴差を仕込もうとしているところです。楔で締めるためには柱からホゾを飛び出させますが、ホゾを差し込むまで柱の間を開かなければなりません、けっこう木はしなりながら開くものですが、今回は板壁の影響もあってやっかいな仕事になってしまったようです。雇いホゾ等を利用することで、逃げのある納まりとするほうが、作業としてはよかったかもしれません。
しかし、組みあがってしまえば、外れようがないですね。
棟梁たちには怒られそうですが、経験的に、建て込みでたいへんな現場はその分しっかりしているという感じがしますね。m(_ _)m
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角垂木

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小屋組は、桁、母屋に4寸角の垂木を乗せ掛け、その上に板壁と同様の厚38mmの杉板を野地板として張ります。この野地板はそのまま室内の仕上げともなります。
切妻屋根に規則正しく並ぶ垂木はきれいですね。
ここでは、軒桁にダボを打ち込み、そこに垂木を落とし込んで固定しています。
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